はじめに
こんなものを作ったというお話です。
対象読者
- 3Dプリンタに関心がある人
経緯
XYZprinting の ダヴィンチmini w+を持っていますが、このようなオープンタイプの3Dプリンタは外気温に敏感だという問題があります。気温が低いと熱せられたPLAが底面にしっかり固着する前に冷えて縮みだすため、製造物の底面が反ってしまうことがあります。底面を強制的に固定するため、スティックのりをプラットフォーム(印刷台)に塗るなど、いくつかのテクニックがありますが、完全に防ぐのは難しいです。
一方、同じXYZprintingでも、ダヴィンチJr.Pro X+や、FLASHFORGEのAdventurer3は箱型である程度保温されるため、外気温の影響を受けず製造物の形状が安定してその分品質も良くなります。正直言ってうらやましい。選択を間違えたかなぁ、と思うこともしばしばです。しかし、買い替えたくても、お金の問題と共に昨今の部品不足などの問題でよいと思う製品が入手しづらい状況にあります。
そこで、すごくチープな方法で保温箱を作ってみました。
製作
方針
今回は「売り物にするつもりがない」ということで、以下の方針で製作しました。
- 安くて安全な加温装置を利用する。
- 箱もなるべく安く作る。
- 手間をかけない。
- 見てくれは問わない。
材料
- IRIS OHYAMA ふとん乾燥機 FK-C3 1台
- 60cm x 25mm ステンレス単管 12本
- 上記用三方向継手 8個
- ポリプレート(発砲素材の板) 90cm x 60cm 4枚
- マジックテープ 30cm 4組
作り方
特にお見せするようなものでもなく、ステンレス単管と継手で骨組みを作って、そのまわりを適当なサイズに切ったポリプレートをマジックテープで取り外し可能になるように張り付けただけです。そのあと、適当なところにふとん乾燥機のダクト用の穴をあけて、そこにダクトを通しました。中はこんな感じ。
ふとん乾燥機が常に50度の温風を吹き付けるので、温度管理は特にしていません。ふとん乾燥機が180分で自動停止してしまうので、再起動することくらいです。
まとめ
- 反れもなく、きれいに造形できるようになりました。
- 中に断熱兼遮音材を入れようと思って少し大きく作りましたが、加温装置が十分機能するのでうるさいのは我慢してこのまま使うことにしました。
- 単管パイプが重かったので、アクリルパイプにすれば良かったと思ってます。お店回った時には目に留まらなかったので、つい単管パイプを選んでしまいました。
- 結果としてずいぶん大きくなったので、やっぱりボックス型の3Dプリンタ買うことになりそうです。Adventurer3なら内部監視カメラもついていて、遠隔監視もできるんだよな…